[00:00.187]時計台のある街に、歌うことが大好きな [00:07.444]少年が住んでいました。 [00:14.400]弱虫な少年は、自分の声に自信が持てず [00:21.646]人前で歌うことができません。 [00:57.042]それを見た博士は毎晩眠りもせず、 [01:04.296]少年のために作ります。 [01:11.298]コトバとメロディーを 教えるだけで、ほら。 [01:18.498]思い通りに歌う魔法のロボット。 [01:24.754]「キミが作った音楽をワタシが歌い上げるよ。」 [01:31.944]目を丸くした少年は おそるおそる、ボタンを押しました。 [01:43.196]少しだけ不器用な声だけど、 [01:50.153]夜空に響いたその声は [01:57.400]確かに少年の心に届いていました。 [02:07.396]届いていました。 [02:25.903]その日から少年は 毎晩眠りもせず、 [02:33.145]ロボットのために作ります。 [02:40.146]コトバとメロディーを教える度に、ほら。 [02:47.405]幸せそうに歌う魔法のロボット。 [02:53.653]「僕が作った音楽を誰かに聞いてほしくて」 [03:00.896]目を光らせた少年は おそるおそる、ボタンを押しました。 [03:11.902]少しだけ不器用な声だけど、 [03:19.156]世界中に響いたその声は [03:26.403]確かに人々の心に届いていました。 [03:36.157]届いていました。 [03:50.532]「いつまでもキミの歌を…。」 [03:58.286]いつしか季節は過ぎ去って、 [04:05.287]少年も大人になりました。 [04:12.289]あの時、教えてくれた歌。 [04:18.979]ワタシは今でも覚えているから。 [04:26.737]少しだけ不自然な声だけど、 [04:33.737]夜空に響いたこの声は [04:40.738]今でもキミのその心に届いていますか? [04:50.861]届いていますか? [04:54.610]「ワタシの歌声、聞こえていますか」